Specified Metal Item特定金属くず買受業 帳簿記載事項

特定金属くず買受業の帳簿記載事項(古物商との違い)

特定金属くず買受業とは

令和8年6月から施行される「特定金属くず買受業」は、金属盗難対策の一環として導入された新たな許認可制度です。これまで規制の対象外であった金属くずの買い取りに対し、都道府県公安委員会への届出を義務付けるものです。特に盗難被害の多い銅や政令で定める金属(特定金属くず)を買い受ける事業者が対象となります。この制度の目的は、盗品が金属くずとして容易に流通することを防ぎ、金属盗難の抑止を図ることにあります。

主な義務としては、以下の点が挙げられます。

  • 都道府県公安委員会への届出義務
  • 買受時の相手方の本人確認義務
  • 本人確認事項および取引内容の記録作成・保存義務
  • 盗品である疑いがある場合の警察への申告義務
詳細は、特定金属くず買受業をご覧ください。

古物商許可との関係

古物商許可は、古物営業法に基づき、一度使用された物品(古物)を売買または交換する事業者が取得する許可です。これまでの古物営業法では、「金属くず」は客観的に本来の用法に従って使用できる状態ではないため、原則として古物には該当せず、古物商許可の規制対象外でした。
しかし、金属盗難の増加を受け、令和7年10月1日からは古物営業法施行規則が改正され、エアコン室外機、電線、グレーチング(金属製のものに限る)など、特に盗難被害の多い金属製物品が古物として追加されることになりました。

これにより、特定金属くず買受業と古物商許可は、それぞれ異なる法律に基づきながらも、金属製物品の流通を規制するという点で密接に関連することになります。特定金属くず買受業は「金属くず」全般を対象とするのに対し、改正古物営業法は特定の「金属製物品」を古物として扱う点で違いがあります。

くわしくは、令和7年10月 古物営業法施行規則改正をご参照ください。

古物商関係との帳簿・記載事項の違い

特定金属くず買受業の帳簿関係のルールは下記のとおりです。
特定金属くず買受業の帳簿は「本人確認記録」と「取引記録」の二層構造で、古物商よりもやや厳格かつ詳細です。

特定金属くず買受業と古物商では、記録すべき帳簿や記載事項に共通点と相違点があります。

項目 特定金属くず買受業 古物商
対象物品 特定金属くず(銅、政令で定める金属) 古物(使用済みの物品、改正後は特定の金属製物品も含む)
本人確認 義務(氏名、住所、生年月日)(法人は本店所在地) 義務(氏名、住所、職業、年齢等)
記録義務 買受年月日、買受時刻、特定金属くずの種類・数量、相手方の情報(生年月日)※ 取引年月日、古物の種類・数量、特徴、相手方の情報等(特徴記載が非常に詳細で、盗品追跡のため「個体識別」が重視される)
記録保存期間 原則3年間 原則3年間
警察への申告 盗品等の疑いがある場合 盗品等の疑いがある場合
※:※古物商のような「特徴(型番・傷等)」の詳細記載義務はないが、  金属種別・数量・対価など、金属盗難対策に必要な情報が中心 金属くずは個体識別が困難なため、盗難対策としては「流通量・相手方の特定」が重視
古物商の帳簿に記載する事項について、詳細は令和7年10月改正対応 古物商取引の記録方法をご参照ください。

帳簿サンプル

福岡県 特定金属くず買受業ガイドにそって作成した帳簿サンプルです。
特定金属くず買受台帳
特定金属くず買受台帳_単票

まとめ

大きな違いは、特定金属くず買受業が「金属くず」を対象とするのに対し、古物商は「古物」を対象とする点です。
ただし、改正により古物商の対象に特定の金属製物品が加わったことで、両者の規制対象が一部重なることになります。帳簿記載事項は類似していますが、それぞれの法律の目的に応じた詳細な項目が求められます。

特定金属くず買受業の導入と古物営業法施行規則の改正は、金属盗難対策の強化を目的としており、今後、金属製物品の流通における透明性が大幅に向上すると見込まれます。これにより、盗品の流通が困難になり、結果として金属盗難の減少に繋がることが期待されます。

事業者にとっては、新たな届出義務や本人確認・記録保存の徹底が求められるため、業務負担が増加する可能性があります。しかし、適正な取引を行う事業者にとっては、市場の健全化に貢献し、信頼性の向上に繋がるでしょう。

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